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低強度の筋トレが健康や生産性(パフォーマンス)に及ぼす影響

低強度の筋トレが健康や生産性(パフォーマンス)に及ぼす影響
2020年11月30日
コロナの影響で外出ができず、運動が足りていないと思う方は多いのではないでしょうか?今回の記事では筋トレ方法の違いが体に及ぼす影響について説明した後に、自宅でできる自重の筋トレが日頃のパフォーマンスや健康に及ぼす影響について解説します。

低強度の筋トレが健康や生産性(パフォーマンス)に及ぼす影響

コロナの影響で外出ができず、運動が足りていないと思う方は多いのではないでしょうか?
そんな方には自宅でできる自重の筋トレがオススメです。
今回の記事では筋トレ方法の違いが体に及ぼす影響について説明した後に、自宅でできる自重の筋トレが日頃のパフォーマンスや健康に及ぼす影響について解説します。

筋肉の種類

まず、筋肉の種類について説明します。
筋肉には大きく分けて遅筋と速筋の2種類があります。この違いはエネルギーの獲得方法にあります。

遅筋は酸素を消費してグルコースや脂肪酸を分解することでエネルギーを得ており、筋肉の作動スピードは遅いものの高い持久力を持っています。
一方、速筋はグリコーゲンをグルコースに分解することでエネルギーを得ており、これには酸素を消費しません。持久力に乏しいものの筋肉の作動スピードは速いという特性をもっています。

現在の理論では筋肉を動かす際はまず遅筋から使用され、最大筋力の40%以上の力を発揮する際に速筋が動員されるとされています。
そのため、速筋が鍛えられるかどうかは筋トレの負荷によって異なります。

筋トレ方法の違い(自重トレーニングとウェイトトレーニング)

自重トレーニングは腕立てやスクワット等の自分の体重のみを利用して負荷をかける筋力トレーニングのことであり、
ウェイトトレーニングはダンベルやバーベル、マシン等を使って自重よりも強めの負荷をかける筋力トレーニングのことを指します。

自重トレーニングは負荷が分散しやすいため、低負荷で広範囲に鍛えることになります。
低負荷なため速筋が使用されにくく、ウェイトトレーニングと比較して筋肥大させにくいという特徴があります。
しかし、低負荷な分回数を多くこなせることができ、有酸素運動の効果が期待できます。また遅筋を効率的に鍛えることができます。

一方、ウェイトトレーニングは高負荷を狙った部位にかけることができるため、筋肥大させやすいという特徴があります。
高負荷となるため速筋を動員させることができ、速筋を鍛えることができます。
しかし、高負荷な分回数は少なくなりやすいため、有酸素運動としての効果は自重トレーニングと比べて劣ります。

低強度の筋トレが生産性に及ぼす影響

ここから、低強度の筋トレ(自重トレーニング)がパフォーマンスや健康に及ぼす影響を見ていきます。

まず、自重トレーニングによって直後のパフォーマンスを上げることができると言えます。
これは、脳血流が増加することと、短期的にパフォーマンスを向上させるホルモン(テストステロン、ドーパミン、ノルアドレナリン等)が分泌されるためです。

また、回数をこなす自重トレーニングは脳の機能を高めるため、長期的なパフォーマンスを向上させることができると言えます。
これは回数をこなすと有酸素運動の効果が生じるためです。
そもそも、ウェイトトレーニングが脳の機能を高める効果があるかどうか(脳細胞の数を増やしたり神経伝達を強める等)はまだ議論されており、結論がついていません。
例えば、2014年に複数の論文を調査したメタ解析において、有酸素運動直後に脳の機能を高めるBDNF(脳由来栄養因子)という物質の血中濃度が高まるのに対し、
ウェイトトレーニング直後の血中濃度では変化はしないと結論づけています。
しかし、自重トレーニングは回数をこなすと有酸素運動の効果も生じます。
そのため、回数をこなした自重トレーニングを行えば脳の機能を高めることが期待できると言えます。

また、筋トレによって自己肯定感が高めることができ、パフォーマンスの向上に繋がります。
筋トレを計画し実行すると自己効力感(自分は決めたことを実行できるという感覚で自己肯定感の一要素)が強くなります。
その継続により筋肉量が増え外見が変化すると、自信が付き自己肯定感が高まります。
研究により自己肯定感が高いと生産性及び創造性が高くなることが分かっており、筋トレは心理学の観点からも短期及び長期的なパフォーマンスを向上させると言えます。

低強度の筋トレが健康に及ぼす影響

筋トレは健康に様々なプラスの影響を持ちます。
例えば、がんの増殖抑制にエピネフリン、インターロイキン-6、SPARCといったマイオカイン(筋肉由来の生理活性物質)が寄与することが分かっています。
また、筋トレをすることでAMPキナーゼの糖利用が促進されるため、血糖値コントロール機能が向上します。

特に自重の筋力トレーニングが健康に及ぼす有益な効果として、肥満の防止が挙げられます。
これは、自重の筋力トレーニングがエネルギーを消費し、かつ体をエネルギー消費しやすいように変化させるためです。
まず、エネルギーは有酸素運動によって効率的に消費されます。そのため、ウェイトトレーニングよりも自重トレーニングの方がエネルギー消費が多いと言えます。
次に、自重トレーニングをすると筋細胞自体が肥大しかつ筋細胞の数が増加します。これにより普段の生活におけるエネルギー消費量も増加します。
また、近年の研究によって有酸素運動をすると脂肪細胞がエネルギーを消費し熱を生産するベージュ細胞へと変化するということも分かっています。自重トレーニングでも同様の効果が期待できます。
そのため、自重トレーニングはダイエットに非常に効果的だと言えます。

まとめ

自重トレーニングをすると有酸素運動と筋肥大の効果をどちらも幅広く得ることができます。
低強度の筋トレは生産性や健康にプラスの影響を及ぼすことが期待できると言えます。

参考文献